
元騎手という視点から最新競馬ニュースを大胆解説。愛する競馬を良くするために、時には厳しく物申させていただきます。週末重賞の見所と注目馬もピックアップ!
勝利のスパイス
2026/4/16(木)
皆様、こんにちは!最近、キッチンでもお手伝いをするようになったのですが、もっぱら炒め係を担当しては「動かしすぎ!」と怒られています。本日はカレードリアということでレシピを見ていると、たくさんのスパイスや隠し味が入っているのを知り、カレーも味の積み重ねとバランスが大事なんだなと感心しています。

それでは牝馬クラシック第1弾桜花賞を振り返りましょう。勝利したのはスパイスの八角の名を持つスターアニスでした。スタート後には狭くなる場面がありながらも、落ち着いて折り合いをつけ、直線では他馬を待てるほどの余裕を見せての完勝劇。まさに圧勝という言葉がぴったりのレースでした。勝利のスパイスとなったのは、レースに直行を決めた陣営の判断とソツのない巧みな騎乗だったと思います。
アルアインからデアリングタクトと出会ってきた騎手・松山弘平は確実に経験と技術を積み重ね、勝利のスパイスであるスターアニスとともに最高の勝利を作り上げました。次走はオークスと発表され、距離への不安もささやかれていますが、それをも凌ぐ才能でのG1・3勝目に期待しています。

期待していたナムラコスモスと田口君も勝負に出ました。前半57秒台というハイラップの中、追いかければチューリップ賞のように止まると判断した上で、勝つためには1列後ろからでもこのペース(ナムラコスモスで1000m58秒)で33秒台の脚を使えることを信じて騎乗した形です。結果は残念でしたが、着を拾う競馬ではなく勝ちに行く競馬をしたことを私は評価したいです。
もちろん、無理をせず安全にポジションを取るという方法もありますが、勝つ確率を考えた時、私は田口君の挑戦のほうが高かったと思います。こうした勝負を懸けるレースを続けていけばきっと彼にも重賞やG1制覇が近づいてくるはずです。

今週は皐月賞が行われます。混戦が予想される中、1番人気にはカヴァレリッツォが選ばれるでしょう。今回はレーンとのコンビですが、最内枠からどのような競馬をするのか注目しています。ロブチェンは前走で松山君が「勝ちに行く」よりも逃げない選択をしたことが、ここで活きると思っています。
他にも右回りにまだ不安を残すリアライズシリウスや岩田康君が騎乗する不気味な存在アスクエジンバラ、未完成ながらも才能豊かなバステール、成長力豊かなグリーンエナジー、マテンロウゲイル、アドマイヤクワッズなど、本当に難しい一戦になりそうです。
プロフィール

松田 幸春 - Yukiharu Matsuda
北海道生まれ(出身地は京都)。1969年騎手デビュー。通算成績は3908戦377勝で、その中にはディアマンテ(エリザベス女王杯)、リニアクイン(オークス)、ミヤマポピー(エリザベス女王杯)など伝説の名馬の勝利も含まれる。1987年にアイルランドの研修生として日本人騎手では始めて海外の騎乗を経験しており、知る人ぞ知る国際派のパイオニア。1992年2月の引退後は調教助手に転じ、解散まで伊藤修司厩舎の屋台骨を支え、その後は鮫島一歩厩舎で幾多の名馬を育て上げた。時代を渡り歩いた関西競馬界の証人であり、アドバイスを求めに来る後輩は後を絶たない。





