
'14~'16年とJRA最多勝利騎手&MVJに輝いた戸崎圭太騎手による、大井競馬在籍時代から続く
人気コーナー!トップジョッキーならではの本音、レースへの意気込みをお届けします!

5月11日時点1734勝
開幕週は東京と京都で騎乗!
2026/4/24(金)
開催替わりの今週は土曜に東京、日曜に京都で騎乗する。青葉賞は騎乗馬が除外の無念という不運もあったが、心機一転を図るマイラーズカップのシックスペンス、そして皐月賞を終えて次走を見据えるグリーンエナジーの回顧など、目前の一戦とその先を“線”で見据える視点には注目。重賞戦線から自身のリズム論まで、胸中を語ってもらった。
条件替わりで巻き返しを期すシックスペンス
——まずは今週末の騎乗予定から伺います。残念ながら青葉賞(G2)のオルフセンは除外となってしまいましたね…。土曜日のルージュアストレアはいかがでしょうか?
戸崎:2走ぶりになりますね。走る気持ちが強い馬で、先行できるタイプです。距離が縮まるのはいい方向に出るかなと思っています。
——前回に騎乗した際も、距離は短くなっていいとおっしゃっていましたね。
戸崎:はい、そうですね。
——続いて、アセンブリールームは続けて騎乗されます。
戸崎:未勝利で勝たせてもらった時も強かったですが、そこからの成長も感じます。中山より東京の方がいいかなと思うので、頑張りたいです。
——この馬にとって、開幕週の馬場についてはどう見ていますか?
戸崎:タイプ的に先行はできないと思うので、(展開が)どうでしょうか、という感触ですね。
——ビーオンザカバーは中山に続いての騎乗となりますが。
戸崎:こちらも力がある馬です。それに、中山よりも東京の方がよりいいなと感じています。開幕週の馬場は気がかりなポイントにはなると思いますが、頑張りたいです。
——日曜日のレイニングは久しぶりの騎乗ですね!
戸崎:もともと能力を感じていた馬で、ようやく軌道に乗ってきたのかなと感じます。久しぶりに乗せてもらうので楽しみですし、嬉しいですね。
——右回りについてはどう考えていますか?
戸崎:少し傾きながら走るところがあるので、そこがどう出るのかなとは思います。ましてや初めてですからね。能力でカバーしてほしいですね。
——こちらも開幕週の馬場はどうでしょうか。
戸崎:先に行けるタイプではないので、何とも言えないです。ただ、綺麗な馬場自体は、瞬発力がある馬ですからいいと思います。
——マイラーズカップ(G2)のシックスペンスですが、今回は田中博康厩舎への移籍初戦になります。
戸崎:前走時は、追い切りからレースにかけて、全体のバランスが整ってくるといいなという感触だったので、近況の変化、変わり身は期待したいです。もともと重賞を勝っている馬でポテンシャルはありますから、うまく引き出せればいいなと思います。
——前走時も「一概にダート馬ではない」というお話があったと思います。条件が芝に変わる点はいかがですか?
戸崎:ダートでも走れていますし、全くダメだとは思いません。それでも僕は芝で乗ってみたいなと感じていました。
——走る際の「傾き」は日々の調教などで直るものなのでしょうか?
戸崎:う~ん、もちろん直せるところはあると思います。
―:転厩初戦ですし、調教に乗っても不思議ではありません。田中博康厩舎の場合、戸崎騎手が調教に乗るパターンは少ない印象です。そのあたりは追い切りに乗ることがあまり好きではない戸崎さんのことを「よく知っている」からですか?
戸崎:ある意味それもあると思います(笑)。ただ、スタッフの方々が自信を持って「自分たちの中でやりたい」という思いもあるのだと思います。
——確かに厩舎的に、基本的には(レースで乗るジョッキーが乗ることは)あまりないですね。中山記念や毎日王冠といった開催序盤のレースでも勝っていますが、芝の速い馬場への適性はどうでしょうか?
戸崎:僕はいいと思いますよ。
——右回りの方が傾きが出にくい、といった傾向はありますか?
戸崎:乗ってみないと分からないところはあります。日々の調教の仕方である程度改善できる面もあるとは思いますので、もう良くなってくれることを期待しています!
この一戦が先につながるように
——先週は皐月賞(G1)に、上位人気に推されたグリーンエナジーと挑まれました。勝利には届かず、着順としても少し前から離される結果の7着でしたが、いかがだったでしょうか?
戸崎:当日の馬場状態が非常に良くて、時計は出るけれど硬さもなく、走りやすかったなと思っています。ただし、前目、または内がだいぶ有利だなという傾向の中で、どう組み立てていこうかなと考えていました。
僕としても前目に付けられればベストだとは思っていましたが、スタート次第や、出てからのスピードの乗りで判断しようと思っていました。前走(京成杯)よりは付いていってくれたなとは思いますが、自分から出してポジションを取りに行くつもりは最初からありませんでした。
——先週もスタートは出ても、二の脚は速くはない、出していくとハミ受けなどの問題もあるといったお話でしたね。それでポジションは後ろになったわけですね。
戸崎:そうですね。道中のリズムは、気も入りやすいというか、折り合いには気をつけるタイプだと思っているので、あえて出していかずリズム重視で行きました。リズム自体はとても良かったです。
本来なら(もっと前が理想ですが)、ポジションも後ろからで、コーナーも外を回って上がっていく形になり、このラップではきついレースをしてしまったなというのがあります。なので、最後の直線は前走よりも少し右に持たれるような感じがありました。
——枠順が外で、先行できない馬にとっては分が悪い条件でしたね。
戸崎:そうですね。そこで扶助を与えて出していけば、気もすぐ入る馬なので行けるのかもしれませんが、その後のリズムが心配ですからね。京成杯がすごくいい走りだったので、馬場は全然違いますが、あのイメージで行きました。
——馬場傾向も分かった上で、終いに徹したのは次走も見据えてのことでしょうか。
戸崎:はい、そこはあります。
——道中のペースを一見するとペースが遅くなったようには見えませんが、全体ラップを見ても、展開を見ても前残り、内有利。今年の皐月賞はレース展開としては厳しかったですか?
戸崎:そんなに速く感じませんでした。馬場がいいので時計が速く出るだけで、60秒を切っているからといって速いというより、むしろスローじゃないかというくらいの感覚でした。
——モタれる面については、これまでと比較していかがでしたか?
戸崎:前走よりは強かったなと思います。G1ですし、外も回っていることを考えると、致し方ないという判断にもなります。京成杯のときはほぼ追うこともなかったですからね。次 (日本ダービー) は左回りですし、コース形態も違うので、その辺はいい方に向くんじゃないかと思っています。あとは2400mの距離でどれだけ走れるかですね。
——人によれば皐月賞を勝ちたいという意識で、先を見ない騎乗をする選択肢もあったかと思います。そこは戸崎さんのこれまでの経験が活きているのでしょうか。
戸崎:経験が活きたとは自分でも感じますが、ただ、それがこの馬にとっては正解か不正解かというのは周りが見ることなので、僕からは何とも言えないところです。
——勝負なのですべて勝てるのが理想でしょう。それでも競馬は一戦ごとに勝ち馬が変わるのが常。応援される方からすれば、点だけでなく、線で考えると、この一戦が今後につながると期待したいですよね。
ありがとうございます。自分もそう感じています。
——次走での巻き返しを期待しています。
戸崎:ありがとうございました。
予感もあった固め打ち!
——先週はG1の騎乗もありましたが、個人的には「固め打ち」をされたのが非常に印象的でした。ご自身で振り返っていかがですか?
戸崎:自分の流れというかタイミングの話になりますが、基本的に木曜日に馬が決まってレース映像を見ます。そこで「こういう展開がいいな」というイメージが湧いてきて、金曜日の10時に枠順が出た時に、イメージがピタッとはまる感じがする週が年に何回かあるんです。そういう時は固め打ちしているなという認識はあります。
——よく調子がいいと結果だけで言われますが、自身の状態が良いという感覚とは違うのと。
戸崎:自分自身を状態で左右したくはないので、準備や臨む姿勢はいつも変わりません。勝った負けたで左右されるよりは、イメージがピタッと噛み合った時に結果が出るという感覚ですね。「調子がいい」とは全く思っていないです。
——そして、毎週伺っている方からすると、G1の騎乗も大事ですが、固め打ちしてこそ戸崎さんだと思うので、ホッとする面もありました。
戸崎:ありがとうございます。そこは、そりゃあ気分はもちろんいいですよ(笑)。
——ルージュボヤージュは大接戦での勝利でした。
戸崎:新馬の走りが強かったですし、中山・福島はコースも似ているので、そういうイメージで乗りました。ペースもうまくいきましたし、差し返す強さを見せてくれたと思います。さすがに勝てたかはわかりませんでした。
——コズミックダンサーは着差を広げる勝ち方でした。
戸崎:内々で囲まれた方が集中するのかなという感じで、イメージ通りの内容でした。
——ワイドブリザードも勝利しましたね。
戸崎:行く馬がいなくて、行けたら強いだろうなというイメージ通りでした。ペースもうまくいき、渋太かったです。
——イッテラッシャイは、タイムを見ても強い内容でした。あとは折り合いでしょうか。
戸崎:強かったですね。道中もう少しリラックスできたり、バランスが良くなったりすれば、もっといいかなと思います。能力はあるのでさらに良くなってほしいです。
——サノノワンダーは接戦を制しました。
戸崎:これは勝てたのが大きかったです。時計も遅かったのでうまく噛み合ったのかなと。この馬のペースで動けて、最後も渋太かったです。
——パンジャは東京でも速いタイムをマークしていて、それでいて中山も合うのかなと感じました。
戸崎:戦前はどうかなと思っていましたが、合いましたね。それに馬に幅も出た感じで、終始手応えも良かったです。強かったですが、中山の適性が合ったのかなという感じですね。
——戸崎さんの新作グッズが発売されました。アクスタ(アクリルスタンド)が出る気分はどうですか(笑)?
戸崎:いや~自分がシールになる時点でもう(アクスタも)同じような感覚ですね。なかなか自分のシールを出すなんてことはないですから。楽しんでいただけたら(笑)。
——来週の羽田盃(Jpn1)はフィンガーに騎乗されます。
戸崎:負けた馬も出てきますし、どうにかリベンジができれば。成長もあると思いますし、逆転できるように頑張りたいです。
——今週もありがとうございました!
戸崎:ありがとうございました。
プロフィール

戸崎 圭太 - Keita Tosaki
1980年7月8日生まれ、栃木県出身。99年に大井競馬の香取和孝厩舎所属としてデビュー。初騎乗、初勝利を飾るなど若手時代から存在感を放っていたが、本格的に頭角を現したのは08年で306勝をマークし、初めて地方全国リーディング獲得した頃から。次第に中央競馬でのスポット参戦も増えていった。
11年には地方競馬在籍の身ながらも、安田記念を制して初のJRAG1勝ち。その名を全国に知らしめると、中央移籍の意向を表明し、JRA騎手試験を2度目の受験。自身3度目の挑戦で晴れて合格し、13年3月から中央入りを果たした。移籍2年目はジェンティルドンナで有馬記念を制す劇的な幕引きで初の中央リーディング(146勝)を獲得。16年も開催最終週までにもつれた争いを制し、3年連続のJRAリーディングに。史上初となる制裁点ゼロでのリーディングという快挙を達成した。19年にはJRA通算1000勝を達成、史上4人目のNARとのダブル1000勝となった。プライベートでは2022年より剣道道場・川崎真道館道場の総代表を務めている。2025年5月よりYoutubeチャンネル「戸崎圭太のベリベリチャンネル」を開設。




