
'14~'16年とJRA最多勝利騎手&MVJに輝いた戸崎圭太騎手による、大井競馬在籍時代から続く
人気コーナー!トップジョッキーならではの本音、レースへの意気込みをお届けします!

5月18日時点1735勝
ナルカミは力を出し切れるか?京都と東京で騎乗!
2026/5/22(金)
GⅠ戦線への返り咲きをにらむ重要な一戦を迎えるナルカミ、果たして本来の走りを取り戻せるのか――。京都と東京を股にかけた今週の騎乗で、戸崎圭太騎手が抱く手応えと課題に迫る。鍵を握るのは、ここ数戦で影を見せている“精神面”。
陣営の試行錯誤が実を結ぶのか、そして舞台替わりとなる京都でどんな変化が見られるのか。注目馬ナルカミを中心に、今週の騎乗馬の展望とともに、その胸中を語ってもらった。
ナルカミの課題は精神面、厩舎サイドの試行錯誤が実るか!?
——今週もよろしくお願いします。土曜日が京都での騎乗で、日曜日が東京となりますが、日曜日のオークスの騎乗馬はテン乗りということなので、何と言ってもナルカミが注目ですね。
戸崎:(オークスは)決まりました?
——入っていましたね。ロングトールサリーは、2枠4番でした。
戸崎:良かったです。それにしても、こういう時に枠はいいんだよね(笑)。
——本当にそう思いましたね(笑)。という観点を踏まえると、平安ステークス(G3)のナルカミが一番注目かなという感じはします。前走の敗戦が気がかりなところであります。
戸崎:ここ最近やはりこの馬の力を出し切れていないレースが続いているので、正直何が原因なのかというのは、はっきりしたところは分からないかなと思っています。気性面も少なからず影響していると思うのですが、その面も踏まえて競馬には臨んでいきたいなと思っています。
——追い切りの雰囲気を見る限り、前向きに走れていたように映りました。前走でもやっていたそうですが、併せ馬でもあえて真ん中に入れたりするようなことをやっていたりと、試行錯誤されているのですね。
戸崎:色々とやってくれる厩舎ではあるので、すごく信頼があります。その成果が実ると良いのですが「状態もいい」ということは聞いています。
——馬の間に挟む形で気持ちを促すような調教にしているということですが、それでいてハナにこだわると。
戸崎:厩舎サイドもそう発表していますからね。
——しょうがないことなのですけど、59キロを背負って、この距離で年長馬相手というのはどうでしょうか。
戸崎:どうもこうも、やってもらうしかないなっていう感じですけどね。この馬の本来の走りができればクリアしてくれると信じていますけど、やれるとは思っています。
——中京では気性面が暴発するようなことはありましたけど、京都競馬場のパドックから馬場へ出るまでの導線ではどうでしょうか。
戸崎:心配はしています。馬場に出るまでにカーブが色々あったりするので。スタッフとも色々話を詰めながら、作戦というか、いい方向に持っていけるように努力できればと思っています。
——能力は示してG1勝ちまで至ったので、馬場状態とか不慣れな競馬場とかありますけど、能力を出せるか出せないか、そこに尽きるという感じですか。
戸崎:そうだと思います。
——距離に関しても現状は1900m以上の条件でも良さそうですか。
戸崎:その辺りも集中力が切れる・切れない、という問題もあるので、何とも言えないところなのですけど。次につながる、きっかけが見つかるレースになることを祈ります。
——土曜日の京都でコスモファーブロス、こちらは2戦続けて乗られます。
戸崎:すごくレースは上手に走ってくれました。あとはメンバー次第という立場だと思います。
——馬場が渋るとどうでしょうか。
戸崎:特にそんなに心配がない気はしています。むしろこなすかもしれませんね。
——ツァレヴナは前走で手綱をとって勝った馬です。
戸崎:前走はいいスタートを切ってくれて、いいポジションで競馬ができたのが勝因だと思っています。今回も引き続きそういうレースができればなと思います。
——シャドウメテオはどうでしょうか。
戸崎:時計が速い馬場だと少し苦にしますけれども、前走もやや重でしたけど、そういう馬場状態になればいいなと思っています。
——日曜日の東京では、クレアノアは引き続き乗られます。
戸崎:スタートとその後の二の脚がポイントになってくると思います。勢いがつかないと本当にポジションが後ろになってしまうので。しっかり差しには来られるので内容的にはいいのですけど、その辺りかなと思っています。
——ヘリテージブルームは、関西圏でも好走して惜しい結果でした。
戸崎:勝負所で少し置かれるようなところは変わってきた部分ではあるのですが、その辺りが解消されてくれば、また浮上してくるかなと思っています。
——ホレーショは2走ぶりの騎乗です。
戸崎:どんな競馬でも対応できますし、安定して走ってくれているので、あとは結果だけかなというところですかね。
——グーテンベルクは昇級してから少し物足りない結果続いていますが、勝ち上がった時の走りからすると物足りない結果が続いているように映ります。
戸崎:力負けをしている感じではなく、ちょっと嫌な方向に変わってきていることが、こういう結果になっていると感じています。我も強くなってきて、前がかりになっている雰囲気で。そういう意味でも距離を詰めることで、いい方に出ればと思っています。
——ダカラフェスティヴは、前回が残念な結果でしたが、改めてどうでしょうか。
戸崎:状態に関しては、返し馬に行ってみないと分からない部分ではあるのですけど、条件もいいですし、力を出し切ればチャンスは出てくると思います。
——オークス(G1)のロングトールサリーですがテン乗りになります。
戸崎:先に行って勝っていることから、しぶといところを引き出すことができればいいなと思っています。距離も他の馬より有利になりそうなタイプかと見ています。
ジョスランの敗因は?
——先週の回顧ですが、ヴィクトリアマイル(G1)のジョスランは8着でしたが、どうだったでしょうか。
戸崎:テンションが高いことからパシュファイヤーを着けたようですが、それはすごくいい方に出ていたかなという感触はあります。スタートも上手に切ってくれて、いいポジションでいい流れで行けたかなと思います。
ただ、勝負所で少し置かれるようなところがあって、内から直線も出される感じになってしまって、その辺りは大きく影響したかなと思います。その後も伸びてこられてはいたので、気性面であったり、成長だったりしてくれると変わってくるかなと思います。
——東京マイルは忙しい面もありましたか。
戸崎:必ずしも駄目な訳ではありません。ただし、僕は4つコーナーがいいかなとは思いますね。テンションが難しいところがあるので、1600mだから折り合えたというところもあるのかもしれませんね。
——ケープウィッカムは惜しい結果でしたが、どうだったでしょうか。
戸崎:1400mだと少し促しながらで追走が忙しそうだったので、1600mになったのは良かったかなと思います。ポジションも楽に取れて、終始手応えも良かったですし、頑張ってはくれています。僅差だけに、もう少しどうにかできたのだろうという感覚はあります。
——バレンタインガールはどうだったでしょうか。
戸崎:ハミに乗ってきてしまうところがあるので、折り合いには気をつけて乗りました。道中の感じはいい感じで進められたかなと思いました。直線も延びて頑張ってくれているのですけど、最後は少し反応しきれなかったですね。
——マジョレルブルーは、2週前に続き友道康夫厩舎の勝利。個人的には非常に良かったように感じます。
戸崎:そうですね。すごく乗りやすい馬で、長い距離は良かったのかなと思います。まだレース前だったり、装鞍所など色々な所で子供っぽさを見せているところがあるので、その辺りが解消してくると、もっといいかなと思います。
——今週はショッキングなニュースもありましたけど、その前にシルバーレインはどうだったでしょうか。
戸崎:前半の折り合いは我慢できていたかなと思っていたのですけど、外から馬に来られて、やっぱり力むところは見られました。それに、やっぱり追ってからバラつきというか、まとまって走れていないところは感じたので、現状あまりいい方に行けていないのかなと感じました。
——そうですか。当初はもっと活躍してくる馬かと思ったんですけど。
戸崎:そうですね。おそらく昔とは変わってきていると思います。
——そして、管理されていた萩原(清)調教師が亡くなってしまったということで…。戸崎さんといえば、かつては萩原先生の馬でG1挑戦などありました。
戸崎:そうなんですよ。たくさん乗せていただきましたし、ダノンキングリーでは、先生と長くすごく濃い時間を過ごさせてもらったと思っています。
——戸崎さんがJRAに移籍した2013年以降、萩原厩舎の騎手別成績で見ても、戸崎さんで一番勝っているんですね。
戸崎:本当にたくさん乗せてもらいましたよ。すごく話しやすかったですし、冗談も言い合っていました。
——そんなエピソードは以前もおっしゃられていましたね。
戸崎:馬主さんやクラブのパーティとかに行っても、結構先生と一緒にいることは多かったです。端の方でこそっと、みたいな感じとか(笑)。
——ダノンキングリーも、戸崎さんが怪我から復帰するタイミングで、待っていてくれたなんてこともありましたね。
戸崎:ずっと待っていてくれて、応援もしてくれましたし。すごく力になったのは今でも覚えています。
——桜花賞くらいの時は普通に会見とかにも出られていたのでちょっと驚きましたけど。
戸崎:急でしたね……。驚きました。
——ダノンキングリー産駒など萩原先生に縁のある馬で、今後いい結果になればいいですね。安田記念(G1)はレーベンスティールに騎乗されますね。今週もありがとうございました!
戸崎:ありがとうございました。
プロフィール

戸崎 圭太 - Keita Tosaki
1980年7月8日生まれ、栃木県出身。99年に大井競馬の香取和孝厩舎所属としてデビュー。初騎乗、初勝利を飾るなど若手時代から存在感を放っていたが、本格的に頭角を現したのは08年で306勝をマークし、初めて地方全国リーディング獲得した頃から。次第に中央競馬でのスポット参戦も増えていった。
11年には地方競馬在籍の身ながらも、安田記念を制して初のJRAG1勝ち。その名を全国に知らしめると、中央移籍の意向を表明し、JRA騎手試験を2度目の受験。自身3度目の挑戦で晴れて合格し、13年3月から中央入りを果たした。移籍2年目はジェンティルドンナで有馬記念を制す劇的な幕引きで初の中央リーディング(146勝)を獲得。16年も開催最終週までにもつれた争いを制し、3年連続のJRAリーディングに。史上初となる制裁点ゼロでのリーディングという快挙を達成した。19年にはJRA通算1000勝を達成、史上4人目のNARとのダブル1000勝となった。プライベートでは2022年より剣道道場・川崎真道館道場の総代表を務めている。2025年5月よりYoutubeチャンネル「戸崎圭太のベリベリチャンネル」を開設。




