ワグネリアンに続け!ノーザンファーム空港育成の期待馬がズラリ
2018/5/27(日)
ダービーも終わり、いよいよ6月から来年のクラシックへ向けた2歳戦がスタートする。POGでも馬券でも、重要なポイントは「勝ち上がり率の高さ」だ。第3弾は、ダービーを制したワグネリアンを育成したノーザンファーム空港、シュヴァルグランやヴィブロスなど所有馬が驚異のG1勝率を誇る佐々木主浩オーナー、社台グループと遜色ない率を残すEISHIN STABLEに注目。とっておきの馬たちをリストアップした。
ノーザンファーム空港
ノーザンファーム生産馬の約半数が入り、1歳秋から2歳のデビュー前まで調教育成に特化した施設。屋根付きの屋内坂路コース、屋内周回コースなど、国内最大級の規模と施設を駆使して、一流馬を育て上げる。現在も新コースの工事も行っているなど、その規模は今なお拡大中で、今年もダービー馬となったワグネリアンがここで育成された。
グランアレグリア 牝
【ポイント】6月3日(日)の東京芝1600m戦、ルメール騎手でデビュー予定。母タピッツフライはアメリカ芝マイルGIジャストアゲームSなどを制した実績馬。ディープインパクト×エーピーインディ系という組み合わせからは皐月賞を勝ったアルアインが出ている。他にもファピアノやニジンスキーといったディープと相性のいい血を数多く持っており、早期から芝での活躍が見込める楽しみな素材だ。
同配合の活躍馬にアルアイン
クリソベリル 牡
【ポイント】全兄クリソライトはジャパンダートダービーやコリアカップといったGIの他に、ダイオライト記念3連覇などの実績があるダートの強豪。叔父にジャパンカップダートを制したアロンダイトがいるなどダートの強豪が近親に名を連ねるが、神戸新聞杯を勝ったリアファルの弟でもあり、決してダートオンリーという馬ではなさそうだ。配合も良く、上を狙える馬だろう。
半姉マリアライトは宝塚記念を制覇
クラージュゲリエ 牡
【ポイント】祖母ビスクドールの姉にエリザベス女王杯を勝ったトゥザヴィクトリーがいる良血馬。フェアリードールの一族で父キングカメハメハというパターンは、京都記念など重賞5勝のトゥザグローリー、弥生賞を勝ったトゥザワールド、中山牝馬ステークスを勝ったトーセンビクトリーと一緒のパターン。半兄プロフェットは京成杯を制するなど早いうちから走っており、この馬もまた、早期の活躍が見込まれる。
全兄のプロフェットは京成杯勝ち
ビスタストリカ 牝
【ポイント】関東オークスを制したカラフルデイズやクイーン賞を制したレッドクラウディアと同じ一族出身だが、母系を辿ると小倉2歳Sなどを制したアルーリングボイスと同じ一族にあたる。総じて仕上がりの早い一族であり、POGでは心強い。スピードある一族だけにルーラーシップとの相性もいいだろう。全姉ナラトゥリスはまだ1勝馬だが、強敵揃った赤松賞で3着に食い込むなど素質の片鱗を見せている。
一族にはレッドクラウディアなどがいる
モアナアネラ 牝
【ポイント】牝馬クラシック三冠に加え、ジャパンカップ、有馬記念、ドバイシーマクラシックを制した近年最高の名牝・ジェンティルドンナの初子。祖母ドナブリーニがイギリス2歳G1・チヴァリーパークステークスを制しているように、早期から動ける一族。母父ディープインパクトからも昨年、菊花賞を勝ったキセキが登場するなど、成功する気配が漂っている。キセキと同じく父キングマンボ系である父を迎え、偉大な母に近づく活躍が期待される。
ジェンティルドンナの初仔が待望のデビュー
ハートスナッチャー 牡
【ポイント】母は未出走だったが、その半兄にあたるキュヴェがアメリカ2歳G1フューチュリティSを勝っている仕上がりの早い一族出身。母の産駒は毎年コンスタントに勝ち上がり、4番子スナッチマインドは京都牝馬Sで3着に食い込むなどの実績を残している。ダイワメジャー産駒で母方にストームキャットを持つ馬にはNHKマイルCを勝ったカレンブラックヒルがいるように、相性は悪くない。素質あるマイラーになりそうだ。
半姉スナッチマインドは重賞でも健闘
佐々木主浩オーナー
2017年はヴィブロスでドバイターフ、シュヴァルグランでジャパンカップを勝ち、ついに世界の頂点に立った。そして偉大なきょうだいの中で、オーナーに初のG1タイトルをもたらしたヴィルシーナの初仔・ブラヴァスがついに今年デビュー。佐々木オーナー所有の2歳馬は、念願のダービー制覇も夢ではない逸材だ。
ブラヴァス 牡
【ポイント】ヴィクトリアMを連覇した名牝ヴィルシーナの初子が満を持して登場する。叔父シュヴァルグランはジャパンCを、叔母ヴィブロスは秋華賞やドバイターフを制するなど、今、日本で一番勢いのある一族と言っても過言ではない。キングカメハメハ×ディープインパクトという日本を代表するサイアー同士の配合も特に不安はなく、まず走ってくるであろう。
ヴィクトリアMを連覇したヴィルシーナ
ヴァロリザー 牡
【ポイント】父はスペシャルウィーク、母父はタニノギムレットと、ダービー馬同士の組み合わせ。祖母ラトラヴィアータは全兄にスプリント王サクラバクシンオーがいる良血。この一族からはアンバーシャダイなど中長距離馬からアルフレードなどのマイラーまで幅広いカテゴリーで走る馬が登場しており、本馬も距離適性の幅は広そうだ。この母の子から大物はまだ登場していないが、この馬が代表産駒になる可能性はある。
半兄アヴァントは2勝
EISHIN STABLE
「エイシン」の育成馬・休養馬が入っている牧場。山を削って作った施設だけに、平坦な部分が少なく、周回コースも坂路となっているのが特長。デビュー前の馬は1歳秋から入り、時間を掛けて仕上げていく。栗東トレセンから少し離れた岡山県にあるため、中長期の休養で使われている。とても静かな環境のため、普段はトレセンでイレ込んでいたエイシンヒカリもここに戻ると落ち着いていたそうだ。
エイシンノヴァ 牡
【ポイント】セントウルSやアイビスサマーダッシュを圧倒的なスピードで制した名牝エーシンヴァーゴウの3番子。父は香港スプリントを連覇したロードカナロアだけに、スピードの高さはこの世代屈指のものがありそうだ。姉2頭は目立った実績を残せていないものの、ロードカナロア×ファルブラヴという組み合わせはスプリングステークスを勝ったステルヴィオと同じで相性がいい。名スプリンターに成長する可能性はある。
母エーシンヴァーゴウは重賞2勝
エイシントドロキ 牝
【ポイント】母は桜花賞3着という実績馬。母の兄弟たちも優秀で、祖母エイシンサンサンはエリザベス女王杯3着という実績がある。その祖母は小倉3歳ステークスを制したように仕上がりも早かった。本馬は父が三冠馬オルフェーヴルに替わった。これまで母の子はクロフネ、ダイワメジャーと少し硬めの種牡馬が付けられて大成していないものの、距離適性が違うオルフェーヴルを付けたことで、これまでの産駒とは違う馬になるだろう。
母エーシンリターンズはG1でも好走
エイシンオーディン 牝
【ポイント】祖母はチューリップ賞などを制した快速馬エイシンルーデンス。母は地方で1勝しか挙げられなかったものの、その産駒成績は優秀。初子エイシンヴァラーは中央でオープンまで出世した後地方転入し、黒船賞を制した。2番子エイシンバッケンも根岸S3着の実績がある。これまでの産駒傾向を見ていると、牡馬のほうが走る繁殖牝馬の可能性があり、今回はヴァラー、バッケン以来の牡馬。父ショウナンカンプはダートでの好走歴もあり、芝ダート問わずスピードを見せつけてくれるだろう。
7勝をマークした半兄エイシンバッケン