デイリー杯2歳Sなど/平林雅芳の2歳戦(10/20)

トピックス

土曜京都2R 2歳未勝利 芝1200m
勝ちタイム1.08.3


勝ち馬:スイートエスケープ(牝2、栗東・安田隆厩舎)

先の阪神戦では出遅れてしまったスイートエスケープが、今日は五分のスタートから前に先行集団を見ながらの追走で、直線外から楽に抜け出しての勝利。
最後は内にもたれている間にバンダムクラウスに迫られたが、半馬身の差で先にゴール。
レベルの高い一戦を制して、さらなる上へと一歩前へ出た。

2着が3回のバンダムクラウスが人気面で2番人気になってしまう程に、スイートエスケープの馬っぷりは牝馬らしからぬもの。
数字は今日でも448キロだが、大きく見せるいい馬。
そのスイートエスケープの前走は上に飛び上がるようなゲートで万事休すだったが、今日は大丈夫。
かなりいいスタートを切ったが無理せずジワッと乗られた。
前にズラリと4頭ぐらいが並ぶ直後の絶好なポジションをとり、いい感じで直線へ向かう。
後1ハロンあたりから前へ出て抜けた途端に内へもたれ出した。
右ステッキで矯正する鞍上。
そこへ道中は中団の少し前の内目、4コーナーで外へ出してスイートエスケープの後ろから追い上げてきていたバンダムクラウスがスッと忍び寄った。
だが時すでに遅しの感じだった。
でもタイムが1・08・3の2歳戦のレコードタイム。
前半3Fが33・7とけっこうなラップでの先行で上がりも勝ち馬で34・0フラットの切れ味。
勝者も負けた馬もハイレベルな力を証明した。

土曜京都3R 2歳未勝利 芝1600m
勝ちタイム1.34.7


勝ち馬:ベストクルーズ(牝2、栗東・松田博厩舎)

圧倒的一番人気のベストクルーズが、3番手からそのまま直線も他馬を完全に封じる勝ち方で勝ち上がった。
平均ペースの競馬ながらこの時計だけに、デイリー杯2歳Sはかなり早くなるだろうと思えた。
内から逃げたブイコナンが前半3Fを35・2で、1000メートル通過も59・9と理想的な逃げを打った。
2番手はスマートアーサイトだったが、直線で失速。
その外目につけていたベストクルーズが直線でスッと反応して、ブイコナンのすぐ外目で後続からの動きをシャットアウト。
前だけを捕まえる完璧な内容で着差以上の勝ち。
3着には道中内目の好位をつけていたニシノマナザシだったが、直線入り口で前が開くのを待つ瞬間があった分だけの差し遅れとなった。
でもこの馬も直ぐにでも勝つ順番が来るだろう。
内をついてクレバーサンデーがメンバー中一番のいい脚であった。
勝ったベストクルーズは、緒戦がラナンキュラスの2着でハナ差負けの実力。
前走は3頭が並ぶデットヒートの惜敗。
今日は順当に勝ち上がったものだ。
これでまたラナンキュラスとの対決の時も近い。

土曜京都5R 2歳新馬 芝1200m
勝ちタイム1.09.4


勝ち馬:ルクソールシチー(牡2、栗東・佐々木晶厩舎)

仕上がり度合いでマッチレースの様相だった新馬デビュー戦。
思惑どおりに、一日の長のルクソールシチーがデビュー勝ちを飾った。
外から好ダッシュのルクソールシチーに中からプリムール
そして内からシゲルツキヤマドノが出て行く。
3頭がジンワリとした行き方で並ぶが、ペースはそんなに速くない。
3コーナーでそこへパープルダイヤも行きたがるが、前のスペースが狭く入れない。
そんな流れで4コーナーへと向かう。
前の3頭では一番外のルクソールシチーの行きっぷりが一番いい。
その内目のプリムールはやや馬体を外へ逃げ気味である。
前よりも横へ意識を働かせねばならない感じだ。
直線に入って2頭のマッチレースとなる。
内がプリムールで外がルクソールシチー
最初は内が少し出たかの様だったが、ゴールが近づくにつれ外が優勢。
結局ゴール板では外ルクソールシチーがクビ差先着の新馬勝ちとなった。
2着馬は若さが目立った内容だった。

土曜京都11R デイリー杯2歳ステークス(Jpn2) 芝1600m
勝ちタイム1.33.7


勝ち馬:リディル(牡2、栗東・橋口厩舎)

一番人気は阪神での未勝利戦を好時計で卒業したリディル
ただ今日もパドックで馬っ気をタップリと見せ付けてしまい、若さが先行する感じ。
でもレースでは大外を力強く抜けて来た。
もう1頭の人気馬ダノンパッションは、大幅馬体減よりも痛恨のゲートでの出遅れ。
これが大きく勝敗を左右した感じであった・・。

ゲートをゆるっと出てしまったダノンパッション
池江郎師が『昨日も練習したんだがね~』と引き上げてきた馬上の武豊Jとの会話。
やはり大きな痛手となってしまった。
リディルの方は五分に出たが、ジワっとした行きっぷりで後方からの競馬だ。
逃げたのは関東馬クリノキングビート
その直ぐ後ろにダイワバーバリアン、内にエイシンアポロンが続く。
前半3Fが34・5で1000メートル通過が58・8とかなりいいペースだ。
4コーナーでは内目からラブグランデーも前に出てきた。
スタートが悪かったダノンパッションは、内目を通るレース内容。
4コーナーも前から6、7番手まであがって来た。
リディルは道中はかなりユックリと構えたレース内容。
4コーナー手前では内のダノンパッションとほぼ同じ位置だが、最初から外へ出す腹積もりなようだ。
4コーナーをワンテンポ遅らせ気味な廻り方で直線に入ってきた。

直線では2番手からスルスルとエイシンアポロンが先に抜け出る。
その後ろをダノンパッションが馬の間から出てきている。
先に出たエイシンアポロンの内目を突く。
一瞬並びかけた感じだったがなかなか先には出れない。
そのあたりで、馬場の大外からリディルがジワジワとした伸び脚で、一完歩ずつ前に迫ってくる。
そしてエイシンアポロンを抜いて先頭に立った処がゴールであった。
勝ち時計1・33・7とかなり早いものがマークされた。
ゴール前最後のラップが11・8。
おそらくリディルは11・5ぐらいの末脚だったのではなかろうか。
着差はクビだったが、とてつもない大きい首差であった。

道中は後ろの方でフワフワした走りをみせていたリディル
3コーナーからは戦闘モードに入ったようだが、パドックといい、走る事よりも他の方に気持ちが行っている感じ。
これからますます逞しさが加わっていく事だろうし、楽しみな馬には違いない。
敗れたダノンパッションは、馬体の12キロ減は細くは見えなかった。
ゲートダッシュとかの課題があって能力全開とは行ってないようで、この馬もこれからの成長が待たれるものだ。

日曜京都1R 2歳未勝利 ダ1400m
勝ちタイム1.27.6


勝ち馬:ハンターワディ(牡2、栗東・佐々木晶厩舎)

逃げたシゲルモトナリを追って、後続がめまぐるしく入れ替わって並びかける流れ。
前半3Fが35・8ながら息の入りづらいペースとなって、直線半ばで先行した馬が止まる。
4コーナーで好位の内目に居たハンターワディが、直線1F過ぎたあたりで前を捕らえての勝利となった。

スタートは外枠のアキノフライが良かったが、押して内からダンツブラボーが先手をとっていく。
芝からダートに入ってもそのままトップを切って行く。
3コーナーからは、シゲルモトナリが半馬身外まで迫ってきているが、先頭は譲らない。
4コーナー手前では、その2頭の外へアキノフライが少し外へ間隔は開いてはいるが、並んで直線に入る。

直線1F手前まで粘っていたダンツブラボーシゲルモトナリだったが、さすがに脚も止まりだした。
好位の5、6番手の内を進んでいたハンターワディが内ラチから1F過ぎて外へ出して、バテた2頭を交わして先頭に踊り出た。
アキノフライの外へ伸びてきたチャームドライフが馬体を併せての2着争い。
その2頭が2、3着かと思った時に、マイネルガンバが顔を覗かせてきて、アキノフライを交わして3着に上がった。
3コーナーではハンターワディの後ろに潜り込んでいたマイネルガンバが、一旦は前から離されたが渋太く追い上げてきていたものだ。

上がり時計が39・2とかなり時計がかかった。
直線最後の2ハロンが13・0~13・3とバタバタだった。
勝ち時計も平凡でありこの一戦だけでは評価は何とも言えないものと思える。

日曜京都2R 2歳未勝利 芝1800m
勝ちタイム1.47.8


勝ち馬:グリューネワルト(牝2、栗東・岡田厩舎)

シェーンヴァルトの妹のグリューネワルトが、それこそ横綱相撲の様なレース内容での勝利。
完勝と言える内容であった。
2着もフォースフルバイオが順当に確保したものだが、若さがまだ随所に残っている戦い方で、能力をまだ十二分に発揮してない感じさえ受けた。
まだまだ埋もれた素質馬が一杯いる未勝利戦だ。

好発は大外のメイショウカンパク
しかしグリューネワルトもいいスタートでむしろこちらが先手。
内からニチドウルチルが2番手。
結局はメイショウカンパクが3番手と収まった。
3コーナー手前あたりでは内のニチドウルチルが先手となり、グリューネワルトが2番手となって坂を下って行く。
流れはゆったりで、1000メートル通過がスローな1・00・7と、完全に前の競馬だ。
4コーナーを前の3頭が並んで廻る。
その後ろに内からイカイカブラウン、中サンライズモール、そして外にフォースフルバイオがまた3頭並んでついて行く。

直線に入って前の3頭で、外のメイショウカンパクの伸びが悪い。
内のニチドウルチルグリューネワルトの争いとなった。
グリューネワルトが鞍上のステッキに呼応して伸び出し、ニチドウを離しだす。
そこへフォースフルバイオが、やっとエンジンがかかったように伸びて2着を確保。
直線入り口ではいい位置まで上がってきていながら、内へもたれてしまったフォースフルバイオ
ちょっとロスタイムが痛かった。
そして最後大外から凄い脚で上がってきていたのが、三浦J騎乗のドミネーター
前残りのレースでこの着順だから、けっこう前が流れてくれるレースならチャンスは十分にある筈の馬と見受けた。

グリューネワルトは牝馬だが、なかなかの素質。
前でレースも出来るし、クラスが上がっても十分にやれると思える。
次回昇級して、どれだけのパフォーマンスを見せるか楽しみだ。

日曜京都3R 2歳新馬 ダ1800m
勝ちタイム1.57.0


勝ち馬:ピサロナイト(牡2、栗東・安達厩舎)

2番手から抜け出したピサロナイトだが、上がり時計も39・0と平凡なもの。
逃げたマルタカユビキタスが1・05・0と、これ以上ない逃げを打ったが直線でこらえきれずに3着。
2着には道中中団より後ろに居たサクセスシェーバーが追い上げて2着。
この馬がメンバー中で一番早い38・6の上がり脚だった。
時計も遅い新馬戦であった。

日曜京都4R 2歳新馬 芝1600m
勝ちタイム1.35.2


勝ち馬:ダノンスパシーバ(牡2、栗東・佐々木晶厩舎)

前に行ったグループでは、4番手のバガボンドだけが残ったが、流れはスローなもの。
1000メートル通過が1・00・4だから、普通なら前に行っていた馬が上位を占めてもいいもの。
中団から後ろの馬が電光掲示板を独占したのは決め手の差だろう。
勝ち馬を含めて、直線での伸び脚が桁違いな馬が多かった新馬戦であった。

チェックブックが先手、2番手フタタビ
3番手に大外チャーミーハヅキ
4番手の内にバガボンド、その外にペガサスヒーローと続くがゆったりした流れ。
ダノンスパシーバも悪いスタートではないが、ジワッとした感じで内目の中団の位置となる。
その後ろ目にネオヴァンドーム
最後方にキクカタキシードだが、先頭から一番後ろまでそんなに大きな差はない。

3コーナーを過ぎて4コーナーに入るあたりで、内ラチ沿いを前から3番目にダノンスパシーバが上がっている。
4コーナー入り口では、バガボンドが最内から2番手に上がってチェックブックの後ろに居る。
その後ろで、ダノンスパシーバの鞍上がポンとステッキを一発入れたのが見えた。
直線に入って後1ハロンのあたりで、内から少し外へ出したダノンスパシーバが、ペガサスヒーローの横をすり抜けて前に出かかる。

バガボンドもその一瞬の間に前へと踊り出る。
しかしダノンスパシーバの伸びが一段と冴え渡る。
シュンと伸びて、あっという間に水を開けてしまう。
バガボンドの外へ外の2頭、フィールドペガサスネオヴァンドームが馬体を併せて伸びてきた。
ネオヴァンドームの伸びがゴール前で優り、クビ先着して2着。
3着フィールドペガサス
バガボンド4着。
5着には最後方追走のキクカタキシードが、後1ハロン過ぎから最後は一番の脚色で迫ったが遅かった。

道中中団でついていって、4コーナー入り口では内から前を射程圏に入れて、直線で鞍上のステッキに呼応していい伸び脚を見せたダノンスパシーバ
2週連続ポリトラックでの仕上げ。
馬体もいい馬で切れ味もある、と実に好感触の馬であった。
楽しみな馬がデビュー勝ちを収めた。