ベルーフが重賞初V!名門からまたクラシック候補生が登場

●1月18日(日) 1回中山7日目11R 第55回 京成杯(G3)(芝2000m)

名門・池江泰寿厩舎から今年もクラシック候補生が登場した。皐月賞と同じ舞台で行われる中山芝2000m戦。池江厩舎にもゆかりの深いステイゴールドをおじに持つ血統馬・ベルーフが、キャリア4戦目にして重賞タイトルをもぎとった。

出世レースであるエリカ賞を制しての臨戦で上位人気が予想されたが、与えられた枠順はまさかの大外17番枠。更に比較的先行有利の良好な馬場状態ということもあり、戦前は厳しい条件が揃った。それでも、道中は中団から後方のポジションでじっくりと脚を溜めると、3コーナーから徐々に進出。不利を受けて位置を下げるシーンもあったが、何のその。直線で大外に進路をとると、末脚を一閃。幾多の苦境をはねのけ、前を行く13頭をなで斬りにしてみせた。

4着までタイム差無しという大激戦を制し、安堵の表情を浮かべたのは川田将雅騎手。「無事に良い結果で戻ってこられたことにホッとしています。流れとしても苦しい位置で、終始楽ではありませんでした。精神面の幼さも出さずに我慢してくれましたし、前走よりも走ることにだいぶ集中してくれましたね。改めて力があると感じました」とパートナーの素質を再確認した様子。

しかし、勝利ジョッキーインタビューでは何度も精神面の課題を口にしたように、一筋縄ではいかないメンタルの持ち主であることも確か。距離についても「2000mは何度も走っているように問題ないでしょうが、それ以上となると、フタを開けてみないとわからないですね」とジャッジ。勝って兜の緒を締めよとばかりに慎重な姿勢を崩さなかった。

とはいえ、皐月賞の舞台で重賞を制し、次走に焦点が集まるところ。「ノーザンファームしがらきへ放牧に出して、様子をみてから考えます」と池江師は明言を避けたが、昨年から猛威をふるう新種牡馬ハービンジャー産駒にあって、初重賞制覇を飾ったようにポテンシャルは疑いようがない。オルフェーヴルら数々の癖馬を出世させてきた池江厩舎ならば、必ずやその素質を開花させるはず。3歳路線の新星であると同時に、名門が送り出す新たな個性派の誕生が、春のクラシックを一層沸かせてくれそうだ。

ベルーフ
(牡3、栗東・池江寿厩舎)
父:ハービンジャー
母:レクレドール
母父:サンデーサイレンス
通算成績:4戦3勝
重賞勝利:
15年京成杯(G3)

ベルーフ

ベルーフ