【5回阪神】クィーンアマポーラ…小平奈由木の注目新馬レポート

クィーンアマポーラ
(牝2、栗東・藤岡健厩舎)
父:キングカメハメハ
母:リトルアマポーラ
母父:アグネスタキオン

2年連続してチャンピオンサイアーに輝き、ディープインパクトの登場後も勝ち鞍を伸ばし続けるキングカメハメハの産駒。現3歳ではレッツゴードンキ(桜花賞)、ドゥラメンテ(皐月賞、ダービー)がクラシック制覇を成し遂げた。この世代からもエアスピネル(デイリー杯2歳S)が登場。コンスタントに勝ち上がるうえ、豊富な成長力にも定評があり、ローズキングダム(朝日杯FS、ジャパンカップ)、ルーラーシップ(クイーンエリザベス2世C)、ラブリーデイ(宝塚記念)、アパパネ(阪神JF、牝馬3冠、ヴィクトリアマイル)だけでなく、スプリント部門へはロードカナロア(スプリンターズS2回、香港スプリント2回、高松宮記念、安田記念)、ダート路線にもホッコータルマエ(かしわ記念、帝王賞2回、JBCクラシック、東京大賞典2回、川崎記念2回、チャンピオンズC)など、様々なカテゴリーに一流馬を送り出している。

母クィーンアマポーラ(その父アグネスタキオン)は、エリザベス女王杯、クイーンC、愛知杯に優勝。JRA賞最優秀3歳牝馬に輝いた名牝である。曽祖母ルイジアナピット(阪神牝馬特別、牝馬東京タイムズ杯)に連なる一流のファミリーだ。サンデーサラブレッドクラブでの募集総額は3200万円だった。

社台ファームで体力強化が図られ、8月12日、函館競馬場に入厩。19日のゲート試験をスピード合格した。栗東へ移動して調整を進めたが、じんましんを発症するなど体調が不安定だったため、9月24日にはグリーンウッド・トレーニングへ。しっかり態勢を整え直し、スピードメニューも消化したうえ、11月5日に帰厩した。坂路で順調に時計をマーク。追われて堅実に脚を伸ばせ、確かなポテンシャルが伝わってくる。

ジョッキーは調整中だが、12月6日(日)、阪神の牝馬限定・芝1400mに臨む。



小平 奈由木(こだいら なゆき)

早稲田大学日本語研究教育センターに勤務した後、競馬関係に進む。競馬専門紙「1馬」の記者、法人馬主「サラブレッドクラブラフィアン」のレーシングマネージャーなどを経て、現在はフリーランス。業界のキャリアは 20年近くになり、生産・育成現場からトレセンまで精通。

月刊誌「競馬最強の法則」の人気コーナー「トレセン最前線」をはじめ、幅広い知識を生かしたエッセーが評判 になっている。