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【阪神大賞典】佐賀のスーパーマックスが再び中央へ 前回挑戦は9年ぶりの歴史的着順!
2018/3/11(日)
交流重賞ではジャパンダートダービー(Jpn1)のヒガシウィルウィン、JBCレディスクラシックのララベル。中央競馬の舞台ではリュウノユキナ、ダブルシャープ。これらは昨年、JRA所属馬相手に勝利した公営所属馬たちである。また、北海道競馬のハッピーグリーンが皐月賞トライアルのスプリングS(G2)にも挑戦。ひと頃より、公営所属の競走馬たちの活躍が目立ってきたといえるのではないか。
地区ごとによって、活躍の要因は分かれるだろうが、近郊の小倉開催以外には決して中央遠征が多いとはいえない佐賀競馬からも、JRAに挑戦する馬が現れた。3月18日(日)に行われる阪神大賞典(G2)に出走するスーパーマックス (牡4、佐賀・九日俊厩舎)だ。
スーパーマックスは2016年6月に佐賀競馬でデビュー。新馬戦で3馬身差をつけて勝利を飾ると、無傷5連勝。その後は南関東に拠点を移したが、結果が残せず、僅か2戦で佐賀競馬へ出戻り。デビュー当時とは異なり、2015~2017年の佐賀競馬リーディングの九日俊光調教師の元で管理されることとなったのだ。
2017年5月には佐賀競馬の3歳No.1を決める九州ダービーを快勝。地元や地方競馬ファンの間では名を知られる存在に。ここまでの成績のみだったら、例年出てきても不思議ではないといっても失礼ではないだろう。しかし、その後の方向性がひと味違った。九日師は振り返る。
「もともと調教でズバ抜けた走りをするわけでもなかったのですが、レースが終わっても息が上がらないのが印象的でした。フーフーいって上がってきたのは高知にいった時が初めて(落馬競走中止)。いつも一生懸命走ってくれるのに、走ってもケロっとしていたんですよね。それに、地方の重いダートがあってないように映ったし、脚が長くて、芝向きのトビに感じたんですよ。それで中央の芝に使ってみようと思いました」
2017年8月の小倉日経オープンで初めて芝のレースに挑むと、勝ち馬から1.6秒離された8着だったが、師は芝の走りに一定の手応えを感じた。地元での2戦を圧勝すると、昨年12月2日(土)に行われたチャレンジカップ(G3)で中央の舞台に再挑戦した。
地元での騎乗や調教は鮫島克也騎手が務めることが多いが
チャレンジCでは山口勲騎手が騎乗した
レースは12頭立ての4番枠からスタート。好位のインで流れに乗るまで良かったが、3コーナーすぎから、段々と手応えが悪くなり、万事休すかと思われた。しかし、直線では切り返すロスがありながらジワジワと挽回。上位4頭にこそ離されたが、5着に食い込んだのだ。
九日調教師とは、地方競馬時代に騎手として同期で旧知の仲である安藤勝己元騎手も「乗り方一つでもう少し差は縮まっていたかもしれんね。よう頑張っとったよ」と健闘をたたえた。2歳(3歳)限定重賞なら、公営所属馬が活躍することはしばしばあるが、JRAの古馬混合芝の重賞で地方競馬所属馬が掲示板に載ったのは、なんと2008年以来。あの「道営のエース」コスモバルク以降、成し遂げられなかった結果を残したのだ。
そして、2018年の始動戦。地元で行われる交流重賞にも登録はあったが、最終的には、中央のG2・天皇賞(春)の前哨戦として誉れ高き阪神大賞典に向かうこととなった。
「佐賀記念(Jpn3)は結果的に入らなかったですね(補欠1番手)。小倉大賞典もありましたが(※注:地方馬が出られるレースではない)、レースでは折り合いがつきますし、忙しいペースは苦手なので、阪神大賞典にトライしてみようと考えました。今回は休み明けですし、馬も、騎手も、私も未知数な条件でどんな競馬をしたらいいのか、どんな調教をしたらいいのか、手探りなのは事実です。今回は何頭か前にいってくれる馬がいそうだから、それについて行ければいいかなとは考えています。もちろん馬運車代もバカにならないですから、一つでも上の着順を、という思いはあります。『なるべく頭数は増えないで』と願っていました(苦笑)。それだけに、頭数の少なさそうなレースを狙いたかったんです」
取材班が馬房の様子を窺いにいくと、周りに動じない冷静な雰囲気がなんとも印象的なスーパーマックス。レースにいくと闘争心もみせるだけに、オンとオフがはっきりしているところは競走馬としてのセールスポイントの一つといえるだろう。アルバート、クリンチャー、サトノクロニクル、レインボーラインなど当初の見立てより、メンバーは揃ってしまった感はあるが、チャレンジCの再現なるか。意欲の挑戦にエールを送りたい。
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