【マイルCS】「2強」では決まらない!? 絶好調アンカツが発見した逆転候補

昨年は女王グランアレグリアが貫禄勝ち

昨年は女王グランアレグリアが貫禄勝ち


今秋のG1も菊花賞で本命◎にタイトルホルダーを抜てきするなどヒット連発!

2006、07年のマイルチャンピオンシップ(G1、阪神芝1600m)を、ダイワメジャーで連覇したアンカツこと安藤勝己さんが、元ジョッキーの視点からズバリ予想します!

☆ポイント☆阪神芝の馬場状態

今年のマイルCSは「馬場」が予想のカギを握りそうやね。

先週のエリザベス女王杯は良馬場発表やったけど、例年と比べて時計がかかる馬場で大波乱決着になった。

時計の推移は、良馬場発表で行われた昨年と比較すれば分かりやすい。

今年は前半1000m通過59秒0のハイペースになったけど、昨年もノームコアが掛かり気味に飛ばして前半1000mは59秒3。2年連続で速い流れになり、逃げ・先行馬は総崩れになった。

前半1000mのタイムは0.3秒しか変わらないのに、全く違ったのは勝ち時計。昨年は2分10秒3。勝ったラッキーライラックをはじめ、1~3着馬は上がり33秒台の末脚を使っていた。

ところが今年の勝ち時計は2分12秒1で、2秒近く遅かった。しかも勝ったアカイイトの上がり35秒7がメンバー最速。掲示板に載った馬すら36秒台やったように、去年とは馬場状態が全然違う。

2020年 エリザベス女王杯
勝ち時計2分10秒3(良馬場)
1着 ラッキーライラック・33秒9
2着 サラキア・・・・・・33秒7
3着 ラヴズオンリーユー・33秒8

2021年 エリザベス女王杯
勝ち時計2分12秒1(良馬場)
1着 アカイイト・・・・・35秒7
2着 ステラリア・・・・・36秒1
3着 クラヴェル・・・・・36秒1

時計の出方が違う理由は、去年のエリザベス女王杯は開幕2週目で速い時計が出やすい馬場やったけど、今年の阪神は10月からの連続開催やからね。マイルCSも昨年の傾向を鵜呑みにはできん。

力を要す馬場で好走するにはスピードや一瞬の切れより、スタミナや持久力が求められる。展開次第やけど、エリザベス女王杯と同じく、高速決着が苦手な差し・追い込みタイプが面白そうやね。

オレが秘かに狙っている1頭も時計勝負になると分が悪いから、いまの馬場は間違いなく合っている。高速馬場だった去年のマイルCSを勝ったグランアレグリア、速い上がりが求められる東京コースで強いシュネルマイスターの影に隠れて人気の盲点になっているし、「2強」を逆転できる可能性は十分あると思うよ。(元JRA騎手)