【新谷厩舎の中東遠征記】ドバイの今vol3

ドバイでの生活も10日ほど過ぎ、ようやく落ち着いて来ました。「酒ばかり飲んでるんとちゃうの?」「羽伸ばしすぎちゃうの?」って思われているかも知れませんね。しかしお酒は飲んでますが、ほんの少し程度だけなんです。

ホンマに!これからはどんどん飲むかも知れませんけどね(笑)。

DOも、松田です。今日は1人と1頭の生活について少しふれていきますね。

馬を仕事としている方からすれば、1人で1頭ってめっちゃ楽やんと思われがちですが。

それは確かに体力的には楽ですが、1人で誰にも相談できずに「大丈夫かな?」など不安を抱いたり、情報を共有できなかったり、馬の状況を自分の厩舎スタッフと一緒に確認することができないのはメンタル的に少し辛いこともあるんですよ。

まぁ周りにいる色々な厩舎のスタッフに相談はできますが、基本的に厩舎の数だけその厩舎のやり方もあるので、基本は同じでもそれぞれのオリジナルのやり方もあるし。

またリメイクはサウジアラビアのリヤドダートスプリントを勝ち、ここドバイでも当然勝つことを意識しながら調教をしているのでプレッシャーもあります。そのプレッシャーを松田は楽しみながら、リメイクとの同じ時間を過ごせたらなと思ってます。

さて、僕が宿泊しているホテルから車で15分くらいのところに競馬場があります。

ドバイにはメイントラック、地元馬が使うトラック、また検疫厩舎の側にある角馬場があります。

メイントラックでは使用できる時間が決まっていて、今なら5時と7時が僕たちが使用できる時間です。

検疫厩舎から馬に跨って馬の歩くスピードでメイントラックまで30分くらいかかるので、少なくとも4時半には検疫厩舎を出発しなければなりません。

となると、馬の準備などを考えると4時前には厩舎に到着しないとならないので、お酒を遅くまで飲んでられないし、1人やしで、あまり飲める生活じゃないんですよ(笑)。

メイントラックでは、フラットワークを終了後トラックで乗り、また30分かけて帰ります。

質問が来る前に、フラットワークとは簡単に言うと準備運動なんですが、僕はこの調教を重要視しているのです。この準備運動で1日の調教の良し悪しが決まる、と僕は考えてます。

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この準備運動で馬の背中の緊張を緩め、また筋肉や腱を伸ばしストレッチ的な運動。または馬を収縮させて全体を丸め、体幹トレーニング的な運動。

フラットワークと言っても乗り手1人考え方一つで無限にあると思いますが、大きく分けて【伸ばす運動】と【収縮させる運動】があります。これがレースに繋がるんです。この話はまた次回。

午前中調教を終わると、今度は馬のケアに時間が必要なんです。調教で疲労した筋肉やスキンケアなどやって、ようやく終了となります。午後からは30分ほど引き運動をして歩様と可動域のチェックをし、軽くストレッチをして終了です。

ただドバイは日がのぼるとハエが多く、リメイクにはハエや虫が寄って来づらいスプレーをふって出してるんですが‥‥。午後からはリメイクVSハエになってます。

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少しでもリメイクのストレスが軽減できれば、と松田はスプレーふって応戦してますよ。絶対に負けられない戦いが、ここにはある。

それでは、また次回。